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<XR×パフォーマンス>
こんなことできました。
都会の小さな公園が、たちまちフェス会場に!
先端XR技術を活用した表現方法
XR-MRコラム「MREAL MIRAI VALUE」

公開日:2025年5月14日

XR-MRコラム「MREAL MIRAI VALUE」
XR技術が、私たちにもたらす「うれしいこと」 今回は、「XR×パフォーマンス」についてです。

大好きなアーティストのライブ、手の届きそうな距離で観られたら!

XR技術を使って「表現できること≒パフォーマンス」はたくさんあります。
ここ数年、イベントやライブ開催形式、演出方法も変わってきています。
これまでは、リアル会場での開催が主流であったイベントや音楽ライブが、バーチャル空間で楽しめる方法も確立されてきました。実際に足を運んで会場で鑑賞する演劇や音楽フェスティバルは、たいていの場合、舞台正面に向かって、一定の場所から観て楽しむことが主流ですが、バーチャル空間では、主にXRディバイスを用いて、ディスプレイを通して鑑賞することができます。

方向や角度、いわゆる自由視点でみることができるため、アーティストを至近距離で観るからや横の立ち姿、背後からも観ることもできます。自分の好きなアングルから観られるうえ、1度きりではなく、何度でも鑑賞できるところがXRコンテンツのすごいところです。
今年2月に行われた「XR×パフォーマンス」をご紹介します。

世界初のXRカルチャーフェスティバル!会場は、渋谷の小さな公園

今年2月、東京 渋谷の北谷公園で、世界初のXRカルチャーフェスティバルが開催されました。
広告映像を中心としたコンテンツ制作を手掛けるプロダクションカンパニーTYOさまがプロデュースする「DO the XR」というXRカルチャーフェスティバルが行われ、世界的なアーティストやパフォーマーがXRテクノロジーを用いて、演劇やダンス、音楽などのジャンルを横断したパフォーマンスを披露しました。

XRのテクノロジーを使用し、5組のアーティストを360度で撮影したパフォーマンスを、様々なディバイスで体験できるイベントで、そのディバイスの1つとして、キヤノンMRシステム「MREAL(エムリアル)」が採用され、パフォーマンス鑑賞のお手伝いをさせていただきました。

XRカルチャーフェスティバル「DO the XR」 MREAL体験風景(東京 渋谷の北谷公園にて)
写真:XRカルチャーフェスティバル「DO the XR」 MREAL体験風景

「ボリュメトリックコンテンツ」を使えば、表現の幅が広がる

映像は、ボリュメトリックビデオ技術を活用し、専用スタジオで撮影した各演者のボリュメトリックコンテンツです。
360度、見たい角度から見られるので、アーティストの背後に回る、または、上部から眺めることもできます。
ここで、ボリュメトリック技術(Volumetric Technology)に触れてみましょう。

ボリュメトリック技術は、被写体を3次元で撮影・計測する手法です。360度の視点から被写体を撮影し、3次元データとして再構成することで、時間と空間を「丸ごとデータ化」します。
つまり、

  • 3Dデータ化:被写体をさまざまな角度から撮影し、3Dデータとして再構成
  • 自由視点映像:撮影後に好きな位置から被写体を見ることができる(=自由視点映像)
  • 多用途:XRコンテンツ、3Dフィギュア、メタバースなどの形態でのアウトプットできる

例えば、エンターテインメント領域ですと、映画やゲームでのリアルな3Dキャラクターの生成に役立ちます。

タブレット端末でXRコンテンツを体験している様子(DO the XR会場にて)
写真:タブレット端末でXRコンテンツを体験している様子

リクオリティ高いXRコンテンツは、大きな舞台へ広がる予感

映し出されたアーティストも動きますし、自分自身が動きながらみると、見る角度が変わることで同じパフォーマンスでも、その都度、発見があります。

スマートフォンで映した、現実空間にアーティストが出現している映像(DO the XR会場にて)
写真:マートフォンで映した、現実空間にアーティストが出現している映像

XR技術により、場所を問わず、このような体験が実現できます。
空きスペースの活用や、人が集う小さなコミュニティスペースの活用としても、可能性が広がるかもしれませんね。

今回ご紹介しましたTYOさまの「DO the XR」は、2025年開催の大阪・関西万博にて、ポップアップステージに出演(2025年5月6日 火曜日10時~19時)が決定されたそうです。
東京の北谷公園から万博会場へ、多くの方々にXR技術を活用した素晴らしいパフォーマンスを披露いただく場に、当社のMREALもご体験いただけます。

おわりに

キヤノンのMRシステム「MREAL」は、製造業や医療分野などを中心とした業務活用が主流ですが、一般に市販されているMRゴーグルと同じように、映像を楽しむ用途としても活用されています。
キヤノンが長年研究してきた光学技術により、CGと現実の世界を融合し、繊細で美しいXRコンテンツを表示させることができます。
今後、XR体験は、もっと皆さまの身近になる予感がします。また次回のテーマでお伝えさせてください。

筆者紹介

写真:筆者

黒川 富士子(くろかわ ふじこ)
キヤノンITソリューションズ株式会社
製造ソリューション事業部 ソリューション企画部(XR・イメージング担当)

専門分野は、PR、広告・宣伝プロモーション、マーケティング。
1998年、SF・ロマンス・ファンタジーなどを絡めたストーリー仕立ての企業メールマガジンを執筆。当時の会員登録数(現在でいうフォロワー数)は18万人。約20年以上、デジタルマーケティングなどインターネット関連業務に従事。WEBアナリスト。

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